-プロフィール-

岩立 良作

昭和26年3月3日生まれ

東京都出身

昭和50年 専修大学商学部卒業後
はかま満緒氏に師事。
昭和54年 独立。放送作家として活動開始。
昭和60年5月 構成グループ『オフィスぼくら』設立。
平成3年 番組制作開始。

 

TV制作会社とは、個人個人のテレビ職人、テレビ芸術家の集まりである。
つまり個人芸術家の集団がテレビ制作会社である。
えてして、優れた個人技を持つ芸術家は個人プレーに走りやすい
ものだが、テレビ芸術は画家や小説家と違って総合芸術である。
よって、いかに集団パワーを発揮し、優れた総合芸術を作るかが
キーである。
例えるなら強力なサッカーチームでなければならない。
そういった意味で、オフィスぼくではなくぼくらとしたのです。
また、個人芸術家というものは、常に孤独である。
そして、悩みやすい生き物である。悩みやすく、傷つきやすい。
故に、悩みを打ち明けたり、分かち合う仲間こそが大切なのだと思う。
「君は1人じゃないんだ。君には仲間がいるんだ!!」という意味を
込めて、オフィスぼくらとしたのである。
故に、我が社のキャッチコピーは
「ひとりじゃないんだ!ぼくらファミリー!」
ちなみに僕、岩立が小学生の頃、定期購読していた月刊マンガ誌が
「ぼくら」でした。
最後に —————
詩人、谷川俊太郎さんは、こう言った。
「宇宙はひずんでいる。それゆえ、みんな、求め合う」と。
つまり、宇宙とは、ぼくらメンバーの一人一人である。

 

映画評論家の故 淀川長治さんは、ある映画を見ていた時、ある衝撃的な
セリフに出会ったという。
そのセリフとは—————
「I never met a man Idid’nt like」(私は、かつて嫌いな人に会った事がない)
という言葉。
以来、淀川さんはこの言葉を座右の銘としたという。

この世の中は、人間関係の連続です。
人との関係なしでは生きていけない。
ならば、会う人会う人を次々に好きになっていった方が楽ではないか。
自分のまわりに好きな人ばかりしかいなかったら、
どんなに楽しく幸せだろう。
淀川さんが冒頭の言葉を座右の銘としたのもそういった
気持ちからだったろう。
そう、そういう自分をこのオフィスぼくらで作ってみましょうよ。
人を好きになろうとする…むしろ嫌いな人を作らないようにしよう。
そのためには、今、目の前にいる人のいいところを探しましょう。
その人のいいところと、付き合う様にしましょう。
その人のいいところだけと付き合う様にしていけば、その人も
いいところだけを出してくれるものなのです。
「いいや、そんなこと言ったって、人を嫌いにならないなんて、
 結構難しいよ。」という反論もあるでしょう。
その通り、難しいのですよ。
嫌いな人を作らない、そういう自分作りは、これが結構、
修行がいるのです。
オフィスぼくらの一員である、あなたにその修行のコツを示しましょう。
示しましょう—–  などと偉そうな事を言える人格はもちろん
僕にはありません。
ただ、僕が心の中でそう努め、実践しようとしている事を書きます。

例えば「挨拶」
一般に人がよく怒ったり、人を嫌いになるその一歩として
「こっちが挨拶したのに、あいつは挨拶してこなかった」という事を
よく聞きます。
さあ、問題はここです。
「こっちが挨拶したのに…」ということは、
つまり、あなたは挨拶したのですね。
ならば、それでいいのです。それ以上、何も期待してはいけないです。
相手が挨拶してこなかった。
No problemです。つまり、相手という世間はあなたではないのです。
世間があるいは他人があなたの思うままになるわけがありません。
なのに、自分を棚に上げて他人を責めようとするからおかしくなるのです。
あなたが爽やかに「こんにちは!」と挨拶できたのなら、挨拶できた
あなたを褒めていればいいのです。
挨拶できたあなたが尊いのです。
自分は挨拶した!挨拶できた!それで終(しま)いです。
その後(あと)の、他人がどう出てこようと批判する必要はないのです。
何故なら、あなたは、あなたとしてするべき事をしたのですから、
もうそれだけで充分なのです。
その先——- 相手の反応は気にしてはいけません。
人の対応を批判すること自体がおこがましい、不遜なのです。
挨拶できたというあなたのこころがさわやかならば、それでいいのです。
あなたのさわやかさ、今日も私は元気ですという気持ちは
「こんにちは!」という挨拶によってその相手に、
また、世間に伝わったのですから。

つまり、問題にするのは相手ではなくあなた自身なのです。
自分は、自分で褒められる状態か?褒められる状態ならいいのです。
そうやって、常にさわやかな自分になっていられる様にコントロール
していられればそれでいいのです。
他人に厳しくしない。他人を批判しない。他人をうらやましがらない。
そんな自分にあなたがなっていれば、あなたにはすぐに仲間が出来ますし、
自分の周りの人を、ほとんど好きでいられるでしょう。
"人を好きになろう" ——- 人を好きになるように努めよう。
それが、とても大事な事です。
そして、自分を愛し自分を高め、自分を掘り下げて下さい。

 

例えば、ディレクターであるあなたがものすごい力を入れて作った作品が
プロデューサーやその他の人からあまり評価を受けなかったとしましょう。
なんなら、視聴率もあまり出なかったとしましょう。
そんな時、普通、人はヘコんだり、ふてくされたりしがちです。
「オレはダメな人間だ」とか
「オレは才能がないんだ」とか思いがちです。
だが、ちょっと待って下さい。
あなたはその作品を100%いいと思い、100%力を出し切って
作ったのですね。
なら、いいのです。
人がなんと言おうと、あなたはヘコむ必要はありません。
もし、あなたが自分で自分を評価して100%出し切らず、
力を入れ足りてなかったらヘコんで下さい。
がんばりきらなかったあなたにがっかりして下さい。
「そうでない!100%出しました。」と言い切れるなら
全くヘコむ必要はありません。
問題は、あなたが100%燃えてやったかです。
"100%燃えた!がんばった!" ——- なら、それでいいのです。
そのがんばった自分を褒めてあげればいいのです。
間違っても自分を卑下)しないで下さい。
よく、「結果がすべてだ」という人がいますが、僕は、そう思いません。
「自分ががんばったかが全てです」
"僕はがんばった"なら、それでいいのです。
結果というものは、その時の運もあるのでしょう。
また、単にあなたの実力がまだそこまで行ってなかったのかもしれません。
実力の方は、今後のあなたのがんばりで、いくらでもついてくるものです。
いろいろ学び、経験する事でよりよい結果も、そのうち出せるものです。
そもそも、この仕事はヘコみやすいので、視聴率とかで、いちいち
一喜一憂していたらキリがありません。
とにかく、いちいちヘコまない自分を作る事です。
自分を測(はか)る基準は、常に「今日は、自分はがんばったのか!?」
それだけでいいのです。1日の終わりに自分に聞いてみて下さい。
「君は、今日がんばったか?」と。
そして「うん、僕は、今日、がんばったヨ。自分の100%を出し切って、
死にもの狂いで仕事をし、一生懸命生きたヨ!」と言いきれるなら、
それでいいのです。
今日一日がんばった自分をうんと褒めてあげて、そして静かに寝て下さい。
明日はまた生まれたての赤子の様に、新しい自分に生まれ変わって
みずみずしくも、すがすがしい一日が待っていることでしょう。

 

これは、ある成功者の言葉である。
この言葉は、今ADをしている人、これからADになろうとしている人に
最初に言いたい言葉です。
一番下っ端であるADの時代 ——- 
自分の時間も満足にない事もある。女の子とデートの約束をしてても
急に仕事を振られ行けなくなることもある。
先輩が黒いものでも白と言ったら白と言わなければいけないとか、
いろいろ辛い事があるADの時代。
日々が理不尽なことの連続で、さぞ腹立たしい思いをしたことや
時にはやめたくなる事もあるでしょう。
でも、ちょっと考えてみよう。
今のあなたのポジションでは、いくら腹を立てても先輩が理不尽でも
それを変えようがないではないですか。
自分がいつか上のポジションになった時に変革していけばいいのです。
人は、その立ち位置によって見える風景が変わる。
自分の立ち位置が変わった時に、変えていきましょう。
だから、今は先輩の言う事を一切、批判したり、批評しては
ならないのです。
そんなヒマがあったら、今、自分がやるべき事を一生懸命やって下さい。
一生懸命、勉強して下さい。
TVを見る事、本を読む事、物を書く事、映画を見る事、お芝居を観る事
やるべき事は一杯あります。
ですから、今はとにかく先輩の良き召使いになって下さい。
先輩が舌を巻くほどの優秀な部下になって下さい。
先輩から使われやすい部下になって下さい。
あなたが本当に優秀な召使いになれば、先輩もいつまでも召使いにして
おきませんよ。
とにかく今は、使われ上手な人になって下さい。
素晴らしい召使いに徹して下さい。
素晴らしい指導者になるために。

 


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